今日は私の師匠、故土田真弘氏の事を書きたいと思います。 日本ジャズ界では、土田のマー坊と呼ばれ1956年、私がまだ小学校に入らない頃、スイングジャーナル紙・アルトサックス部門人気投票第11位でした。その頃、渡辺貞夫さんは2位でした。
私が彼に弟子入りしたのは、千葉商大の1年生の時で、あるコンサートに招かれ、雪村いずみさんと金井英人(有名なベーシスト)さんを紹介された事が記憶に残っています。
師匠の土田さんが一番活躍していたのは、ジョージ川口さんのバンドや、伝説のドラマー清水潤さんらと11pmに出演していたころだったとおもいます。
そのころの私は田舎から出て来たばっかりで、あまり会話もできないようなダサイ若者でした。
いつかこんな事がありました。師匠宅でレッスン終了後、師匠が自分が出演している、赤坂の高級ナイトクラブに連れて行ってくれると言うんです。
今だったら「はい、お願いします!!」と即座に答えるところですがあの時は、おことわりしました。・・・・・「もったいなーい」・・・・・
その時の心境は、たぶん、着て行く服がない、飲み物とか何を注文したらよいかわからない、話しかけられたら答えられない、外人がよく来ると言っていたのでビビる。などだったと思います。
土田先生は後年、私の現在住んでいる秋田が大好きで、こんな田舎者の私をたよって数回、来てくれました。
ホテルより私が以前、借りていた借家の子供部屋にいつも泊まって、子供から「また、いつ来てもいいよ」といわれ、ご機嫌だった土田先生を今もなつかしく思います。
写真で土田先生が吹いているアルトサックスは、葬儀の時、頂いてきたアメリカンセルマー(マーク6)製造番号8万代の最高級品です。
この楽器を毎日磨いて、吹いて、おがんで、師匠土田真弘さんに感謝しています。
飯塚 雅幸